特定行為研修とは
特定行為研修は、看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であって、特定行為区分ごとに特定行為研修の基準に適合するものであること。
特定行為研修の到達目標について
指定研修機関は、特定行為研修の到達目標を設定することが定められており、 厚生労働省医政局長通知の別紙8に「共通科目」、「区分別科目」における到達目標 が明示されている。
今般、令和元年度の厚生労働省委託事業「看護師の特定行為研修に係る実態調査・分 析等事業」において、特定行為ごとに到達目標を作成された。
特定行為研修の質を担保するためにも各特定行為区分ならびに特定行為の到達目標の 参考としていただきたい。
※引用 : 厚生労働省令和元年度「看護師の特定行為研修に係る実態調査・分析等事業」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
領域別パッケージ研修とは
1.在宅・慢性期領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 |
気管カニューレの交換 |
○ |
- |
ろう孔管理関連 |
胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換 |
○ |
- |
膀胱ろうカテーテルの交換 |
× |
免除可 |
|
創傷管理関連 |
褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
○ |
- |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
× |
免除可 |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
× |
免除可 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
○ |
- |
2.外科術後病棟管理領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
○ |
- |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 |
侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
|
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
人工呼吸器からの離脱 |
× |
免除可 |
|
呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連 |
気管カニューレの交換 |
○ |
- |
胸腔ドレーン管理関連 |
低圧胸腔内持続吸引器の吸引圧の設定及びその変更 |
○ |
- |
胸腔ドレーンの抜去 |
○ |
- |
|
腹腔ドレーン管理関連 |
腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。) |
○ |
- |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 |
中心静脈カテーテルの抜去 |
○ |
- |
栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連 |
末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入 |
○ |
- |
創部ドレーン管理関連 |
創部ドレーンの抜去 |
○ |
- |
動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
○ |
- |
橈骨動脈ラインの確保 |
× |
免除可 |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
○ |
- |
脱水症状に対する輸液による補正 |
× |
免除可 |
|
術後疼痛管理関連 |
硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
○ |
- |
循環動態に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
○ |
- |
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
○ |
- |
|
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
× |
免除可 |
3.術中麻酔管理領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
○ |
- |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 |
侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
× |
免除可 |
|
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
人工呼吸器からの離脱 |
○ |
- |
|
動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
○ |
- |
橈骨動脈ラインの確保 |
○ |
- |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
× |
免除可 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
○ |
- |
|
術後疼痛管理関連 |
硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
○ |
- |
循環動態に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
× |
免除可 |
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
○ |
- |
|
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
× |
免除可 |
4.救急領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
○ |
- |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 |
侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
|
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 |
○ |
- |
|
人工呼吸器からの離脱 |
○ |
- |
|
動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
○ |
- |
橈骨動脈ラインの確保 |
○ |
- |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
× |
免除可 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
○ |
- |
|
精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 |
抗けいれん剤の臨時の投与 |
○ |
- |
抗精神病薬の臨時の投与 |
× |
免除可 |
|
抗不安薬の臨時の投与 |
× |
免除可 |
5.外科系基本領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 |
中心静脈カテーテルの抜去 |
○ |
- |
創傷管理関連 |
褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去 |
○ |
- |
創傷に対する陰圧閉鎖療法 |
× |
免除可 |
|
創部ドレーン管理関連 |
創部ドレーンの抜去 |
○ |
- |
動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
○ |
- |
橈骨動脈ラインの確保 |
× |
免除可 |
|
栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中の高カロリー輸液の投与量の調整 |
× |
免除可 |
脱水症状に対する輸液による補正 |
○ |
- |
|
感染に係る薬剤投与関連 |
感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与 |
○ |
- |
術後疼痛管理関連 |
硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与及び投与量の調整 |
○ |
- |
6.集中治療領域
特定行為区分の名称 |
特定行為 |
研修を修了した看護師が 実施可能な特定行為か否か |
研修の免除の可否 |
呼吸器(気道確保に係るもの)関連 |
経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整 |
○ |
- |
呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連 |
侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
○ |
- |
非侵襲的陽圧換気の設定の変更 |
× |
免除可 |
|
人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整 |
○ |
- |
|
人工呼吸器からの離脱 |
○ |
- |
|
循環器関連 |
一時的ペースメーカの操作及び管理 |
○ |
- |
一時的ペースメーカリードの抜去 |
× |
免除可 |
|
経皮的心肺補助装置の操作及び管理 |
× |
免除可 |
|
大動脈内バルーンパンピングからの離脱を行うときの補助の頻度の調整 |
× |
免除可 |
|
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連 |
中心静脈カテーテルの抜去 |
○ |
- |
動脈血液ガス分析関連 |
直接動脈穿刺法による採血 |
× |
免除可 |
橈骨動脈ラインの確保 |
○ |
- |
|
循環動態に係る薬剤投与関連 |
持続点滴中のカテコラミンの投与量の調整 |
○ |
- |
持続点滴中のナトリウム、カリウム又はクロールの投与量の調整 |
○ |
- |
|
持続点滴中の降圧剤の投与量の調整 |
○ |
- |
|
持続点滴中の糖質輸液又は電解質輸液の投与量の調整 |
× |
免除可 |
|
持続点滴中の利尿剤の投与量の調整 |
× |
免除可 |